1980年後期から1990年前後のMOON ブランドguitarの多くには、CROCODILEロゴのlock tuner (GOTOH製造)が装着されており、私の所有するストラト・モデルにもCROCODILE Lock Tuner -Ⅱ"が付いていました。ペグは消耗品で弦交換時のlock/unlock、チューニング作業等を繰り返す事による摩耗やガタ、弦のテンション等によるシャフトの偏芯等々で、ある程度の疲弊時期が来ると交換が必要になって来ます。私の物はすでに30年以上使い続けており、今までに数度交換作業を行っておりアフター・マーケットで入手可能なGOTOHの標準タイプ "SD91-05M-6L" に換装しています。
(取り外したCROCODILE Lock Tuner -Ⅱ、シャフトのネジ山が殆ど摩耗している)
長年使い続けた事によるネジ山の摩耗状態で、空回りしtunerの寿命を終えています。
(左; CROCODILE 右; SD91-05M-6L)
上図、左; CROCODILE ペグから 右; SD91-05M-6Lに交換する場合、ちょっと画像では判別が難しいですが、CROCODILEのシャフト外径(ブッシュ内径)がSD91-05M-6Lのそれより0.数ミリ小さい為、ブッシュを共有出来ず打ち換え作業が必要になります。
(ブッシュを抜く工具)
上は、ブッシュ内径両端幅を有するマイナスドライバー、下はGOTOHペグ購入時に添付されているジグ。ショックや振動、ギターヘッドに傷をつける可能性のある木槌等の使用は避け、両手の力でジワリと押して抜いて行きます。
私は、上のマイナスドライバーを使用しています。
(ギターヘッドのブッシュ穴を広げる工具)
私の場合は、ブッシュの内径は若干異なりますが、穴を広げなくても打ち換え可能でした。唯、リーマーを使って穴径を広げる場合でも、過度にザグル必要は有りません、ブッシュの尖端が穴径に臨む程度で良く、後は、ギターヘッド穴に亀裂や割れを起こさない様慎重にブッシュを圧入して行きます。
(ブッシュ圧入クランパー)
市販のクランパーを使い、加工したアルミ板にラバーシートを貼付し、上下ギターヘッドに傷を付けずにブッシュ全体に加圧出来る様なジグを簡単に制作して使っています。ギターヘッド穴にブッシュを垂直に臨ませ、ゆっくりジワリジワリとクランパーを締め込み圧入して行きます。
(交換完了状態)
一度SD91-05M-6L用のブッシュを換装すれば、以降SD91-05M-6Lを使い続ける限り、ブッシュの打ち換え作業は不要で木ネジの脱着だけでペグの交換が出来ます。
尚、Kluson、GROVER、Schaller等各社取り付け形状の統一規格を設けていれば、ユーザーはより自由にペグの選択が出来たであろうと思われ、非常に残念ではあります。ペグやLock機構に関して、毎年多くの特許出願がなされ、その内の幾つかは商品化されては淘汰され消滅しています。願わくば、今後商品化されるKlusonタイプ・ペグだけでも取り付け形状寸法等の統一規格を設けてもらえれば、交換作業の煩雑さの解消が期待出来ます。