2021年8月13日金曜日

“Accutronics / BELTON Digital Reverb”

(Accutronicsスプリング・リバーブ) 

Fender系統のギターアンプやsolid-stateのPolytone, Peterson等多くのギターアンプに採用され、
ギターアンプのリバーブ効果音のスタンダードとなったAccutronics (Hammond) made in U.S.A.の
スプリング・リバーブは、2009~2010年頃?にBELTON社に買収され、北米製造ラインが韓国に移管されて
Accutronics / BELTON made in Korea として現在も存続していますが、made in U.S.A.ではありません。
  (上記画像は、20数年前の機材から取り外したもので、印字された型番は判読できません)

(PT2399 Echo Processor IC)

 時流は、軽量コンパクトで省スペース、省エネルギーのCMOS digital IC回路構成の商品
(digital delay, echo, reverb等々)が多くを占めるようになって来ました。
その中でも、製品やアマチュア自作に重宝されているIC、
比較的ローコストのPT2399を使った機器や組み込み回路が多数見られます。
 “PT2399”
Echo Processor IC
Princeton Technology Corp (PTC)
(description) …The PT2399 is a single chip echo processor IC utilizing CMOS technology.
Which accept analog audio input signal, a high sample rate ADC transfer
the analog signal into a bit stream then storage to internal 44Kbit RAM,
after processing the bit stream will de-modulate by DAC and lowpass filter.
Overall delay time is determined by internal VCO clock frequency,
and user can easy to change the VCO frequency by changing the external resistance.
The PT2399 performs low distortion (THD<0.5%@0.5Vrms) and
low noise (No<-90dBV) characteristic for audio purpose,
and pin arrangement and application circuit are optimized for easy PCB layout and cost saving advantage…
(PTCデータ・シートより)
(PTCのデータ・シートを基に私が作図しました)

Accutronics / BELTON Digital Reverb (BTDR-1, 2...)

 上記PT2399を3個使用して樹脂モールド・パッケージにしたDigital Reverb module (BTDR-1, 2...) 等の製品が多機種販売されており、
製品やアマチュア自作を含め多くの製作例が見られます。
(画像は、BTDR-2H モデルです)
(coda effects comを参照して、私が作図しました)

 Accutronicsスプリング・リバーブの効果音を求めるのではなく、
全く別物のdigital effect reverb 効果音と割り切れば、それもまた良し、と言う事でしょうか。
多くの方が製作事例を紹介していますので、そちらを参考にして頂きたいと思いますが、
従来のスプリング・リバーブをドライブする回路と、digital reverbの組み込み回路は
当然の事ながら、全く異なったapplication circuitが必要です。
このDigital Reverb module (BTDR-1,2…)は、ベースICがCMOS構成なので、5V駆動です。
従って、B電源の高い電圧でドライブされたダイナミックレンジの大きいsignal (信号)アンプレベルとの整合性を取る回路が必要になります。
また、dry (signal原音)とwet (digital reverbの効果音のみ)とのミックス回路が必須です。

2021年8月9日月曜日

" ALBIT G50 -112 "

 
 プリアンプ回路からパワーアンプ初段まで球管式(12AX7A)で構成、
パワーアンプ終段はPower MOSFET(東芝 2SK1529 / 2SJ200)が使用されています。
ALBIT G50-112は中古市場でも流通量が少なく、継続機種も見当たらない為、
ファースト・ロットを販売した後、企画は途切れたものと思われます。
メーカー (ALBIT) 作成取扱説明書には、G50-112の特徴として以下の様な記述が有ります。
「パワーアンプ部に、無帰還回路方式を採用しましたのでダンピングファクターが
極めて低くメリハリのあるサウンド飛び出します。」
(ALBIT原文のまま掲載)
読者の皆様は、このALBITの主張をどう判断されますか?
 出力トランスを使った球管式パワーアンプのDF (damping factor)は、
接続されるケーブルを含めると10前後、或いはそれ以下の機種も多いかもしれませんが、
solid-stateタイプのパワーアンプは通常数100程度以上は有るものと思われます。
DF (damping factor)とスピーカー駆動の関係性について、
読者の皆様は、どういう認識をお持ちでしょうか?
楽器用アンプ、スピーカーだから、と言う特殊性は存在するでしょうか?

  (或いは、ギター・アンプはFenderの球管式アンプから始まり、
MarshallもMesa/Boogie等々もその模倣に端を発している。
その後に続く多くのamp builderやgarage maker製作と言われる物も
Fender球管式アンプ回路のコピーやグレード・アップ等の改造を加え、あるいは
その意匠や形式等を何らかの形で借用したり、独自のアイデアを付加して商品化している。
そこで、ALBITの上記取説内容であるが、つまりは球管式パワーアンプ部分を
solid-state Power MOSFET終段アンプに置き換え、回路構成を終段無帰還方式として、
出力トランスを使用した球管式パワーアンプの低DF (damping factor)疑似化を狙い、
Fender, Marshall, Mesa/Boogie等の出音が模倣出来るのではないか__?
と言う仮説に基づいて製作された物であろうか?)…私の邪推です。

 “ Damping factor (DF) ” について以下、
is defined as the ratio of the load impedance Z <load>
to the power amplifier output impedance Z<out> :
  Damping Factor (DF) = Z <load> / Z<out>
--- It is desirable to have the damping factor
 as high as possible for a variety of reasons.
From a performance perspective, the higher the damping factor,
the less affected the power amplifier becomes to load variations.
A side effect of a high damping factor is the reduction
of resonance problems in speaker systems. --- 
 --- The high level of negative feedback utilized in solid-state amplifier design
coupled with the high quality of modern output devices easily provides amplifier
output impedances lower than 0.1 ohm.
The output impedances of the amplifier projects provided in this book will range
from about 0.04 to 0.02 ohm.
 A round-about average of 0.04 ohm for most solid-state designs 
and a speaker load of 8 ohms
will provide us with a typical solid-state damping factor of approximately 200.--- 
(G.Randy Slone HIGH-POWER AUDIO AMPLIFIER CONSTRUCTION MANUALより引用)
  キャビネットは非常に堅牢に造られており、重量は想像以上です。
スピーカーグリルは、アルミ素材ではなく鉄板の打ち抜き、黒色塗装で重量が有ります。
パワーアンブ終段からの出力ラインは、スピーカー・ターミナルに直接半田付けされており、
スピーカーの選択や、増設は想定されていません。
従って、修理等でアンプ筐体を取り外す場合、スピーカー・ターミナルから
半田付けされたコードを外す必要があります。
 リヤパネル裏面の画像の様に(不鮮明ですが)、難燃樹脂をリヤパネル裏面に貼付し、
5本の真空管の頭を固定しており、MT真空管用シールド缶は使用されていません。
・CH-1はクリーン・チャンネルで、Vol.potのみの設定で、
通常の音量設定にした場合、まず歪みません。
・CH-2はドライブ・チャンネルで、Vol.pot, Gain pot, Master pot
の3コントロールがあり、強烈に歪みます。
スライド・スイッチで、(CH-1) – (パラレル・ミックス)-(CH-2)
の切り替えが出来ます。切り替えノイズは出ます。
全体的なノイズ・レベルについて、小さいとは言えません。
真空管がヘタッテ来ると、当然の事ながらその傾向にあります。
12AX7Aはローノイズ管ですが、高信頼度管7025,7025Aに交換しても、
若干下がったかな? と言う程度です。
 12”スピーカーが装着され、スピーカー・フレームはアルミ鋳造で
正面側はヘアライン仕上げ、裏面は雑な仕上げです。
北米スピーカー専業メーカーがOEM先出荷時に明示する様な
印字、シール、ラベル等の類は有りません。
僅かに、コーン紙裏面に画像の様な印字が見られます。
従って、スピーカー・メーカーは不明ですが、
1980年代後期から1990年初頭頃の Peavey製 Scorpion speaker
ではないかと思われます。
 終段Power MOSFET(東芝 2SK1529 / 2SJ200)は、
肉厚10mm前後の切断加工されたアルミ板に装着されています。
 画像が若干不鮮明ですが、2か所部品が集中して空中配線された様な箇所が見られ、
PCBが出来上がった後、設計変更が有ったのでしょうか?
使用されているCR等の部材は、画像で確認して頂けると思います。
 reverb~delayはデジタル回路でLSIとOP-Ampで構成されています。
エフェクト効果は充分動作機能します。

2021年6月8日火曜日

" Candy Dulfer "

 1969年9月19日オランダ、アムステルダム出身のサックス奏者。
 私は、Funk musicは苦手でCandy Dulferの個々のアルバム通して全曲聞く事は有りませんが、
彼女の楽曲の中で、マイナーモードのメインテーマ(主旋律メロディ)をリフレインした後の、
blues notesを随所に織り込んだ魅力的なアドリブ展開や、
そのAlto Saxの倍音を芳醇に含んだ音色が耳に心地良く、
以下発売年代順のアルバムの収録曲の中で、例えば以下の様な曲がお勧めです。
 特筆すべきは、どのアルバムを聞いても、楽音の底辺骨格を支えるリズム隊(ドラムやベース・ライン)が、
明確にしかも非常に良い音で収録されている事です。
 しかし残念な事に、作品が発表される毎にvocalistとしての色合いが濃くなり、sax演奏は間奏のみの感が拭えず、
デビュー当時の他のミュージシャンに招聘されゲスト出演し、
大向こうを唸らせる様なインプロビゼーションを展開した様なフレーズは、殆ど聞く事が出来なくなってしまっています。
望むべきはAlto Saxでその感性を表現する「sax奏者」Candy Dulferであって欲しいと… 。

 1990年 “ Saxuality ” Arista/Ariola/BMG
     ・Lily Was Here
 1993年 “ Sax-a-Go-Go ” Ariola/BMG
 1995年 “ Big Girl ” Ariola/BMG
 1997年 “ For the Love of You ” Ariola/BMG
 1999年 “ Girls Night Out ” Ariola/BMG
 1999年 “ What Does It Take ” N-Coded Music
 2001年 “ Live in Amsterdam” Ariola/BMG
 2002年 “ Dulfer Dulfer ” Eagle
 2003年 “ Right in My Soul ” Eagle
 2005年 “ Live at Montreux 2002 ” Eagle
 2007年 “ Candy Store ” Heads Up
 2009年 “ Funked Up ” Heads Up
     ・Still I Love You
     ・Don’t Go
     ・Roppongi Panic
 2011年 “ Crazy ” In-Akustik
     ・No End
 2017年 “ Together ” In-Akustik

 Candy Dulferはコンスタントにライブ活動を行い、日本にも度々来日しています。
ライブ・パフォーマンスでのUlco Bedのギター・ソロ等は秀逸ですが、
残念ながらそれらをあまねく網羅したライブ・パフォーマンスCDゃDVD媒体は入手出来ません。
僅かにYou Tubeで味わえる程度で非常に残念です。

 Candy Dulfer の楽器に関して、1997年発売の“ For the Love of You ” CDには、
Selmer Paris (Mark VI?)が写されていますが、
現在はアムステルダム・ウインド社製のalto saxを使用しているそうです。

 alto sax の感性を揺さぶる演奏と言えば Mal Waldron “Left Alone”でのJackie McLeanを忘れるわけにはいきません。
渡辺貞夫さんのライブ・パフォーマンスも他の追従を許しませんが、
残念ながらCDゃDVD媒体では収録されていない?、或いは入手困難です。
幸いYou Tube等では一部残されている様です。

2021年3月24日水曜日

" AKG HARMAN Headphone K553 MKII "

 東京秋葉原が、かつて米軍放出の機材や真空管等を扱い、ラジオデパートが有象無象の電子パーツの宝庫で、
Audio 音響機器や電子部品の販売で賑わっていた頃、当時店頭で多くの銘柄のheadphoneを試聴してみて、
それなりの価格で好印象を受けたのが(独)Beyerdynamicのそれでした。
(北米)Kossのそれより数段良くBeyerdynamicのオープン型を購入した経緯があり、
この度、amp試作製作上の必要性から新たにheadphoneの購入を検討するに、
上記過去の記憶により(独)Beyerdynamicの製品を探してみましたが、
TASCOM (TEAC)扱いになって以前よりも高額になった様に思え、
他にULTRASONE等も検討しましたがMade in Germanyには価格の点で手が届きません。
そこで、手頃な価格のAKG K553 MKII (Made in China)の選択に至りました。
 下図、左K553 PRO (discontinued)、右K553 MKII (後継機種)、 K553 PROと言う型番は絶版でK553 MKIIが後継の様です。
何が違うのかと言うと…
" The difference is that the K553 Pro has Studio Monitoring and Studio Mixing capabilities 
and that is what makes it one of our PRO headphones. 
Other than that all specs (impedance, audio frequency, audio bandwidth, etc) are the same " 
… " The only difference between the AKG K553 Pro and AKG K553 MKII is 
that the latter one has a detachable audio cable while the first one has a fixed audio cable "…
と言う記述が見られます。

 AKG (Akustische und Kino-Geräte Gesellschaft m.b.H)は、オーストリアで設立された老舗メーカーですが、
1994年にハーマン・インターナショナル(Harman International Industries, Incorporated)傘下となり、
更に2017年にハーマン・インターナショナルは韓国サムスン電子(三星電子株式會社 Samsung Electronics Co., Ltd).
に買収合併され、完全子会社となりました。
サムスン合併移管後AKGオーストリア ウィーンの拠点は閉鎖され、エンジニアの離散も少なくなかった様です。
この時点でMade in Austria のAKGは無くなり、「AKGのブランド」⇒「ハーマン・インターナショナル」⇒「サムスン電子」⇒「Made in P.R.C. (People’s Reublic of China、中華人民共和国の英文表記)」となり、
設計思想や製品主体が何処にあるのかユーザーには判然としない複雑な構成の様に思われます。

 使用してみた印象は、中高音域は鮮明でリモート・ワークや語学研修、オンライン・ゲーム等の用途には支障ありません。
しかし、K553 MKIIはclosed back 所謂密閉型ですが、楽音の底辺を支えるバスドラムやベース・ラインの音感が痩せており低音域の臨場感が希薄で、
例えて言えば小口径フルレンジ・スピーカーを狭小密閉キャビネットで鳴らした様な印象です。
従って、音楽鑑賞にはお勧め致しません。また、specで言いますと、音圧レベルSPL(Sound Pressure Level)の点で、 
K553 MKIIは、「efficiency 114dB SPL/V」表記で、同等のSennheiser で「Sound Pressure Level (SPL) 114dB/1Vrms」表示と比較して(同規格かどうか不明ですが)、
音圧レベルが下まわる様に聞こえ、Sennheiser と比してK553 MKIIで同様の聴感を得るには若干駆動入力を求めます。
まず、価格以上の出音を求める事は残念ながら期待できません。
AKGが経営主体を失い、親会社の企画でそのブランドが使用され、
中国生産になった頃から危惧はしていましたが、
実機の試聴をせずに通販で購入した事を悔いています。

2021年3月11日木曜日

" MOSFET制御 OP-AMP誤差増幅 Series Regulator "

(MOSFET, OP-AMP構成 Tracking Regulator)

  以前discreteで製作した回路から、制御回路素子をMOSFET (2SK2232 / 2SJ334)に、誤差増幅回路をOP-AMP (OPA134)に変更し、部品点数と実装作業の省力化を図ります。OPA134は部品棚にある物を使用したまでで、仕様用途を満たしていれば他機種でも問題は有りません。(使用用途を限定すれば、単一電源専用OP-AMPを使わずとも汎用のそれで事足ります) 唯、かつて安価で入手容易だった東芝2SK2232 / 2SJ334は既に廃品種で、また基準電圧に使用するDz、NEC RD-Eシリーズや日立HZシリーズ等も入手難になっています。
  (-)電位を生成するTracking (反転増幅)回路、2本の12kΩ抵抗に(1%)を使用しても、双方±(1%)の誤差が存在し、まずそのままで(+)電位と(-)電位が同一になる事は難しいと思われ、電圧差異の微調整作業が必要な場合が殆どです。
 +側と-側の放熱板のサイズが異なりますが、後続回路の+側消費電流が大きいのでそれに見合うサイズにしています。

2021年2月21日日曜日

" OTIS RUSH "

  (1935年4月29日- 2018年9月29日) born in Philadelphia, Mississippi
メジャー・レーベルやプロデューサに恵まれず、録音媒体やライブ音源は多くは有りません。
それだけに、限られたlegacyは拝聴に値します。B.B.King (1925-2015)に続いて、
12平均音律の鍵盤には無いblues noteを紡ぎ出す不世出なguitaristを彼岸に見送りました。



  私の愛聴盤の幾つかを下記にて、
“Walking the Back Streets and Crying” Written by Sandy Jones Jr
    - Chicago Blues Festival 2001 -
    - Any Place I’m Going -
“As the Years Go Passing By” 
    ( 著作権はD.Maloneですが、オリジナルはPeppermint Harris の様です)
    - Ain't Enough Comin’ in -
“Double Trouble” Written by Otis Rush  Cobra Session に尽きます。
    - The Cobra Sessions 1956-1958 -

2021年1月25日月曜日

" OP amp with MOSFET current booster output"

 (J-FET入力op ampプラスMOSFET電流ブースター構成)
  analog deviceの絶版が趨勢となり、J-FET等の流通在庫が減少するに伴って価格が高騰しています。
更に、J-FETは特性のバラツキが大きく、差動回路や対称回路を組む場合、選別には多数の母数在庫が必要です。
そこで、部品ラックに眠っているJ-FET入力op ampを電圧増幅段として活用し、
MOSFET電流ブースター付加構成にする事により、選別工程を不要とし、
母数在庫を保有せずとも手持ちのdeviceで、省スペース、小点数部品、小出力power ampを制作します。
op ampはJ-FET入力タイプ(TL071, LF356, LF411, OPA134等々)であれば、汎用タイプで問題ありません。
  設計事例の参考回路を下記にて。
  上記二つの設計事例は、各々文中にも記載されている様に温度補償過多で温度上昇に伴ってアイドル電流が減少します。
本来的には、温度が上昇しても安定したアイドル電流値を維持する温度補償スタックを望みたいものです。

  今回製作した( LF411による電圧増幅段、MOSFET current booster output )回路を下図にて。
op ampは、我が家の部品棚に眠っていたLF411を電圧増幅段に、
終段はこれまで度々試作して来たON/OFF Switching用途のK2232 / J334を使用しました。

  op amp出力がbooster 動作中点に設定されるようにバイアス回路を工夫しています。
MOSFETは、J-FET同様特性にバラツキが大きく、
同一機種でも異なる個体では、同バイアス電圧でもアイドル電流値が異なる事が普通です。
また、Switching用途のMOSFETをLinear動作Audio Ampに流用している事もあり、
power ampで設定される一般的なアイドル電流値(50~100mA程度)のカーブの立ち上りが急峻で、バイアス設定には慎重を要します。
更に、温度補償に関して、BJT(Bipolar Junction Transistor)の温度係数は一般的に(約-2.5mV/℃程度)として温度補償の設定が可能ですが、
MOSFETはKタイプとJタイプで温度係数が異なり、また個々の機種によっても個別の温度係数を有しています。
しかも、データー・シートからpower ampに使用する上記アイドル電流値の温度係数を読み解く事は非常に困難な作業と言わざるを得ません。
  一般的なpower amp設計の際、終段素子のバイアス回路は温度補償機能を兼ねます。
そこで、上述した様にMOSFETは個体特性差のバラツキが顕著で、しかも機種により固有の温度係数を有しており、
同一素子を使用しない限り再現性に乏しい事から上図(要調整バイアス回路部分)には数値を定数化する事を慎みました。
制作される方は、個々終段に使用する素子固有のバイアス値、温度補償を工夫される事をお勧めします。
 製作した実機は、試行錯誤により50mA程度のアイドル電流と、温度上昇しても極端にアイドル電流が減少しない温度補償値に設定しました。
headphone amp用途で製作した為gainは抑えた数値としています。


" OP amp with MOSFET current booster output" (改訂回路)

この度、LF411に変えてOPA134を使ってこの回路を踏襲し、低出力アンプを製作しようとした所、
前回 [op ampはJ-FET入力タイプ(TL071, LF356, LF411, OPA134等々)であれば、汎用タイプで問題ありません。]と記載しましたが、
OPA134では確実に発振或いは動作不安定となってしまい、このままの回路では再現性に乏しい事に気付きました。
また、TL071、LF411等でも方形波レスポンスでは、多少の差異は有れ、
ほぼ全てオーバーシュート、リンギングが発生しており、
前回の動作チェックで見逃していたものと思われます。
(1KHz前後 オーバーシュート) (10KHz超え 派手なリンギング)
(他のホームページの画像を使用させて頂きましたが、方形波レスポンスはこんな感じです)
比較的高域周波数帯域に幾つかのピークが生じている様で、
正弦波に入力を切り替えてその周波数帯域を観察してみると、
(100kHz以上~500kHz程度の付近)に断続的ピークが見られました。
ピークを生じている周波数帯域を回避、或いは使用用途の周波数帯に支障がない程度に
リンギング発生周波数帯域を排除する対策を施して行きます。
C1によりピーク発生周波数帯域を多少コントロールします。
帰還抵抗にC2をパラって周波数帯域に制限をかけて行きます。
各々Cの容量は、個々使用OPアンプにより、また回路構成や終段半導体の種類により、
或いはOPアンプの出力に連なる容量負荷等により、使用用途の周波数帯域等により
一概に特定できない為、CUT and TRYが必要です。

今回は終段K2232 /J380、パッシブDCサーボを付加しています。



K2232 / J380をC3421 /A1358 P.P.エミッタ・フォロワー低出力インピーダンスでドライブし、今回はこの回路で実験を行いました。







こういう回路も組んでみましたが、2段直結P.P.エミッタ・フォロワーは、
まず発振し易く、また、終段のMOSFETバイアス調整が非常に面倒な事もあり、お蔵入りとなりました。