2020年10月17日土曜日

" ERIC GALE "













Eric J. Gale (1938920日~1994525

 説明不要な北米を代表するセッション・ギタリスト、或いはスタジオ・ミュージシャンでした。
まず、その感性を煽るギターの音色とフレーズに耳目が引き付けられ、
その次にどの様な楽器や機材を使っているのだろう、
或いは、どういう奏法で演奏すればこの様に魅力的な音色が出せるのだろうか、
と思いが巡って行くのは自然の成り行きだと思われます。
Gibson Super 400 CESが印象的で、非常に多彩な音色を生み出し、
そのトーンは一度聴いたら耳から離れない程エモーショナルで、
表現するに適切な言葉が思い当たりません。
(フルアコ、メイプルネック、スプルーストップ、メイプルバック) Super 400 CES
のアタック感がありながら余韻を残すクリーン・トーン、
他の機材では望み得ない様に思われます。
  他にも、Grant GreenのGibson L-7C McCarty Unit付やES-330 P-90 の音色も同様に印象深いものが有りますが。
双方の音色に、スプルーストップ、メイプルバックのGibsonフルアコが大きく貢献しており、
これが現代ES-335の様なメープル-ポプラ-メープルの合板や、
Fender Thinlineのマホガニーやアッシュでは、
異なった音色にならざるを得ないのかもしれません。

[Gibson Super 400 CES]










Body top; spruce
body side back ; maple
neck ; 5 piece / maple-walnut-maple- walnut- maple
fretboard ; ebony

 [Gibson L-7C McCarty]












body top ; spruce
body side back ; maple
neck ; three-piece maple
fretboard ; Brazilian rosewood



(Gibson Super 400 CESL-7C McCarty画像は、ビンテージギター販売ショップの画像を使用させて頂きました。)
 唯、Eric Galeは、session guitaristとして要求された音色をまさに多種多様に繰り出し、
共演するmusicianにより、アルバムにより、
或いは一曲一曲異なる音色を生み出す稀有なguitaristでした。
従って、実際にはスタジオで、その時に要求された音色を生み出す為、
定番のGibson Super 400 CESだけでなく様々な種類のギター、エフェクター、アンプを駆使して演奏していたものと思われます。
YouTubeに1984年渡辺貞夫氏のコンサートに参加した際のリハーサル画像が残っており、
Musicmanらしきアンプを背にして、足元にはエフェクターボードが僅かに覗いて見えます。
  Eric Galeがsession guitaristとして参加したアルバムや共演したミュージシャンは膨大で割愛させて頂きますが、
自身の代表的なリーダーアルバムを数点以下に記します。
1973 (Kudu) Forecast
1975 (Micron) Negril
1977 (Columbia) Multiplication
1977 (Columbia) Ginseng Woman
1979 (Columbia) Part of You
1980 (Columbia) Touch of Silk
----------- 

 session musicianとして同業のdrummer Steve Gaddのドラムも出色である事を追記したいと思います。