2016年9月17日土曜日

Chapter Ⅰ "MOSFET Power Amp" (試作実験)


<試作実験回路 ①> push-pull emitter followerでゲート入力容量Cissをドライブする

以下の実験目的で、次の様な回路を試作してみました。
・ゲート入力容量Cissを充放電するには、どの程度のゲート・ドライブ電流が必要か?
 ゲートをpush-pull emitter followerでドライブし、ドライブ電流を(1030mA程度)
 変してみる。
MOSFETのアイドル電流の最適値は?
 アイドル電流(40100mA程度) 可変してみる。

 (実験結果)
・ゲートドライブ電流は、102030mAと増加するに従って、20kHz前後から上の周波数レスポン
 スが良くなって行く様に思われるが、30mAを越えた辺りから2SC3421/A1358push-pull
   emitter followerがほの温かく熱を持って来る為、K2232/J334のアイドル電流が変動し始める。
 更にゲートライブ電流を増やす場合は、2SC3421/A1358よりもコレクタ損失Pcの大きい素子が
 必要になって来る。従って、ドライバとして設定したTrが発熱しない程度の最大電流をアイドル
 電流とする事となる。
K2232/J334のアイドル電流は、40100mAへ漸次増加させても、出力波形は視覚的に大きく改善
 すると言う印象は受けなかった。アイドル電流を増やして行くと、予想通り発熱が大きくBJTの場
 合よりも大型の放熱板が必要で、発熱に従ってアイドル電流の変動も大きい。従って、設置した放
 熱板の放熱能力によK2232/J334のアイドル電流値は妥協する事となる。
 (K2232/J334のアイドル電流は発熱に伴い、常に変動し安定しない。それは、MOSFETVgsを温
 度係数の異なるBJTVbeで温度補償しようとする事から生じる齟齬も大きな原因と思われる。)

 (最終設定)
 ゲートドライブ電流は、30mAまでとし、K2232/J334のアイドル電流は設置した放熱板を鑑みて70mA程度とし、放熱板が熱くて触れられない程発熱しない限りにおいての熱飽和状態を維持出来れば、多少のアイドル電流変動は良しとします。そう言う緩い見地に立つと、上記試作実験回路は充分動作しました。



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